- せち
- I
せち【世知・世智】(1)〔仏〕 世俗の知恵。(2)世渡りの才。
「~にたけている」
(3)勘定だかいこと。 けちであること。 また, そのさま。II「親の~なる事を見習ひ, 八才より墨に袂をよごさず/浮世草子・永代蔵2」
せち【切】(1)心に強く感ずるさま。 身にしみるさま。 痛切。「物の興~なる程に, 御前に皆琴ども参れり/源氏(藤裏葉)」
(2)一生懸命事を行うさま。 熱心。「~なりし宣旨の恐しさに/宇津保(俊蔭)」
(3)物事のさし迫っているさま。 緊要。「~なること申さむといふ/宇津保(忠こそ)」
(4)(「せちに」の形で)(ア)きわめて。 特に。III「物のいと~にいぶせき折々は/源氏(明石)」(イ)どうしても。 是非とも。 「かしこにいと~に見るべき事の侍るを/源氏(若紫)」
せち【節】〔呉音〕(1)時節。 季節。「やよひの日数のうちに夏の~の来たる/経信母集」
(2)季節の変わりめの祝いをする日。 節日(セチニチ)。 節供(セチク)。「~は五月にしく月はなし/枕草子 39」
(3)「節会(セチエ)」に同じ。「さるべき節会など, 五月の~にいそぎ参るあした/源氏(帚木)」
(4)節日の御馳走。 特に正月の振る舞い。「ある所の御屏風に正月~する/忠見集」
→ お節
Japanese explanatory dictionaries. 2013.